【懐かしいを語るコラムvol.1】もう一度食べてみたい
こんにちはジュエヌの説田です。
今は何かと制限があって不自由を感じることが続きます。
そんな中でちょっと気晴らしにクスッと笑えるようなコラムを書いていきたいと思います。
最近よく「懐かしいな」って頻繁に使っていることに気づきます。
歳を重ねるだけ懐かしい分量も蓄積されて、それが会話の中で共感されると
より嬉しくなります。
若い人たちにも”昭和”がブームなようで、私も同じ年頃にあった
「となりのみよちゃん」の雑貨屋さんを思い出します。
先日「もう一回食べたいわ」って思う懐かしい食10選を思い出していました。
写真1975年福川美佐男氏撮影
その中で「下下味亭」のご飯が第一位。
お店は昭和41年から平成2年まで営業されていた一汁一菜のご飯屋さん。
写真は当時にしてはcafeの文字とメニューがとてもハイカラな趣きを感じさせてくれます。
でも、初めて行ったのは中学生の頃で
マクドナルドやファミレスの方が嬉しかった年頃の私にとっては、正直地味に感じた。
ガラガラと扉を開け靴を脱いで畳の上にあがり、机の上に折敷が並べられている前に各々が座る。
お店の人は手際よく小鉢に入ったおかずとお味噌汁、お茶碗、箸をならべる。
そして炊きたてのかやくご飯が入ったお櫃を運んできて、膳の前にどんと置く。
めいめいに自分でお櫃に入ったかやくご飯をよそってご飯をいただく。
何杯いただいてもいいのだ。
観光客や地元の人たちでにぎわい、みんなお櫃にはいったかやくご飯を美味しそうにいただいていた。
若い時分というのは物事の感じ方が鈍い。
美味しいけれど、ただどこにでもある普通のご飯とおかずだと思っていたと思う。
畳の上に座布団、お膳、野菜の煮物の小鉢、お碗、お櫃に入ったかやくご飯。
純粋な日本の家庭料理を古民家の畳敷の広間で、いろんな人たちと同じご飯をいただく。
ファミレスや24時間のコンビニが出来たことに感激していた年頃の私にとって違和感を感じていたように思う。
そんな下下味亭さんのご飯の思い出話の機会にふれ、
おかずは季節の旬の野菜を使っていたこと、薪釜で炊かれたかやくご飯だったこと、器は李朝や古伊万里で盛りつけされていたこと、
「売り切れごめん」のお店だったこと、などあらためて知った。
今の私だと、どれだけ感激して通い詰めたかもしれない。
何だか勿体ないことをしたなって思う。
でも、その経験は自分の中で膨らみ無意識に何かに現れているかもしれない
現在の下下味亭さんは建て替えられ2階へ。
見晴らしの良いところで美味しいコーヒーと
美味しい日替わりランチのカフェになっています。
(先日手作りのハンバーグの日替わりランチをいただきました)
ジュエヌから徒歩10分のところにありますので是非行ってみて
くださいね。
思い出と懐かしいを思い出させてくれる下下味亭のご飯にご馳走様です。
説田賀予
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奈良でジュエヌとPaPiER+を経営しています。
奈良生まれ奈良育ち